こんにちは! Cloverです。
治療開始にあたり「1錠あたり〇mg」などの製品を見かけたことがあり、また猫ちゃんの体内に実際に吸収される量は異なるという内容のおはなしを聞いたことがあるかと思います。
今回の記事ではクローバーのGS-441524製品の含有量の表記について、また、FIP治療において含有量の確認が必要な理由を含めて解説していきます!

目次
ㅣFIP治療と症状別推奨投薬量
長年の臨床研究において各症状に合わせて適切な投薬量が決められています。特に猫伝染性腹膜炎の症状が目や運動障害に影響がある場合、GS-441524の成分が脳の障壁を透過できるよう投薬量を十分に増やし調節する必要があります。
またFIPの治療期間中は薬の効果が発揮できる一定の血中濃度を維持できるように、注射薬も経口薬(錠剤)も同様に体重に合わせて投薬量を変化させていくことが治療において大切なことです。
ㅣGS-441524表記されている含有量について
同じGS-441524であっても、製造会社ごとに1錠あたりの含有量がなぜ異なっているかと気になる方もいるかと思います。これは1錠あたりの単純なGS-441524の含有量、または様々な成分も含めた含有量と製造会社ごとに決定された表記になっています。
– 目標血中濃度
どのような製品を使用しても大切なのが「血中濃度」です。例えば、先ほど述べたように眼球及び脳神経にFIPウイルスが侵入している場合、血中濃度をあげて脳にまで十分な量の薬を届ける必要があります。そのためには投薬量を増やすことが必然です。製品ごとに設計されている目標血中濃度が異なるため、猫伝染性腹膜炎治療を行う際はその製品が目指している血中濃度がどれくらいなのか理解し、それに基づいて適切な投与量を設定することが大切です。
ㅣClover製品のGS-441524含有量表記について
– GS-441524の含有量
経口薬は皮下注射とは異なり吸収率が変則的な部分が多く、個体に体内吸収率を測定することは難しいということは熟知しています。
私たちクローバーは、製品の設計及び社内の臨床試験において、猫ちゃんの個体別の吸収率の違いや嘔吐・下痢などを考慮して各製品1kgあたりのGS-441524の含有量は注射と同等またはそれ以上の血中濃度を維持できるように設計しています。
製品あたりの含有量よりも実際に体内に吸収される量を考慮した製品の製造と誰もが体重あたりの投薬量が分かりやすいよう吸収率を考慮した含有量の表記を行っています。 ▶ 経口型のGS-441524製剤の特徴
・Curecat Standard Tablet:1kgあたりGS-441524含有量→6mg
・Curecat Max Tablet:1kgあたりGS-441524含有量→10mg
・Hopefip 2kg Tablet:1kgあたりGS-441524含有量→6mg ▶ 製品を詳しくみてみる
– FIP治療のポイント
経口剤の吸収率や吸収速度、血中濃度の維持は空腹時、食後、腸内環境、臓器の損傷の有無、個体差によって変動します。FIP治療は体重あたりの投薬量に基づいて投薬量を管理します。そのためには体重の増加に合わせて投薬量も増加させる必要があります。また定期的な血液検査や画像検査、猫ちゃんの状態のモニタリングを行いながら、その子に合わせた適切な量を調整することが何よりも大切です。
必要に応じて猫ちゃんの体調や回復具合に合わせた投薬量のアドバイスを行っていきます。気になることがあればお気軽にお問合せください!
